中小企業の社長の相続
a−15. 企業の財産を承継するための遺言の仕方

相続人が企業の財産を承継する方法として遺言の仕方について教えて下さい。


- @ 財産承継の方法
- イ.生前贈与 ─── 生前の財産処分は自由
- ロ.遺産分割協議 ─── 相続人全員の合意が必要
- ハ.遺言 ─── 遺贈の自由・処分の自由
- ニ.調停・審判 ─── 家庭裁判所の判断
- A 相続に関して遺産を承継する方法は次の2つ
- イ.遺産分割協議 ─── 現物分割・換価分割・代償分割・共有分割
- ロ.遺言 ─── 遺留分に注意
- B 遺産分割協議では被相続人の気持ちが伝わらない
- 承継してもらいたい会社の事業と資産を、一緒に会社を経営してきた長男に引継がせたいと思っても、遺産分割協議では相続人全員の同意が必要で、必ずしも長男が会社の全株式と事業用資産を相続できるとは限りません。
- C 争族を回避するには、相続人を差別することになるが、遺言が必要
- イ.親が生きてれば、子供は少々の不満はあっても親の言うことを理解するものです。
- ロ.親がいなくなれば、相続人である子供達の間では権利意識の高まりにより平等の原則が前面に出て、我慢するよりも自分の主張を通そうとするものです。そこで、遺言が必要になります。
- D 遺言の仕方は一般的には、3つの方法がある
- イ.自筆証書遺言: 遺言をする人が自分で「全文」「日付」「氏名」を自筆し、捺印します。
- ロ.公正証書遺言: 公証人役場で公証人によって作成してもらいます。費用がかかりますが、最も安全で確実な方式といわれています。2名以上の「証人」が必要です。
- ハ.秘密証書遺言: 遺言の内容を秘密にしておけます。遺言者が自分で作成した遺言書に署名捺印の上封印して、これを公証人と証人2名以上の前に提出し、公証人に遺言書であることを申述し証明してもらいます。
- E 会社にいる子供2人に経営者の素質があれば、生前に会社を分割しA社の株式を長男にB社の株式を次男に相続させることも可能になります。
