中小企業の社長の相続
a−06. 自社株の評価方法

自社株の評価方法は4つあるといわれていますが、各評価方法の内容について教えて下さい。


- @ 自社株の評価方法には次の4つがある
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イ.類似業種上場会社の取引株価を基に算定される「類似業種比準価額方式」。
ロ.評価会社の資産と負債の金額を基に算定される「純資産価額方式」。
ハ.イとロの「併用方式」。
二.前2年間の配当率から算定される「配当還元方式」。 - A 上記のうち株価が安くなる評価方法はどれか、評価の仕組を理解せよ
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イ.上記@のうち、イ〜ハを原則評価、ニを特例評価といい、特例評価は、オーナー一族ではなく、従業員等の非同族株主が自社株を取得する場合に適用される。
ロ.これらの間では、(a)原則評価は特例評価より株価が高く、(b)原則評価の中では、純資産価額の方が類似業種比準価額より株価が高い。
ハ.このことから、自社株がオーナー一族でなく、非同族株主に帰属したときの方が評価が下がる。また「大会社」に分類されれば、「特定」の場合を除き、類似業種比準価額だけで評価されるので、評価額が低くなる。 - B 原則的評価方式の意義
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イ.類似業種比準価額方式
配当、利益及び純資産を要素として、事業内容が類似する業種目に属する複数の上場会社の平均株価に比準して評価会社の株式の価額を求める方式。
ロ.類似業種比準価額方式と純資産価額方式の併用方式
会社の規模に応じた一定のLの割合により、類似業種比準価額方式と純資産価額方式を併用し、評価会社の株式の価額を求める方式。Lの意味は次回後に説明します。
ハ.純資産価額方式
評価会社が課税時期において所有する資産の価額(相続税評価額)から負債の額及び評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除した金額を発行済株式数で除して、評価会社の株式の価額を求める方式。 - C 会社規模と評価方法の区分
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イ.大会社 → 上場会社の株価との均衡上 → 類似業種比準価額方式
ロ.中会社 → 大会社と小会社の中間にあり → イ、ハとの併用方法
ハ.小会社 → 個人事業者との評価の均衡上 → 純資産価額方式
