中小企業の社長の相続
a−03. 自社株対策の基本は株価を下げること

自社株の評価を下げるには、株価が上昇する前からの対策が必要といわれておりますが、どうしたらいいのでしょうか。


- @ 自社株対策には基本5原則がある
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イ.人的経営資源を確保した上で、会社を永続させる。
ロ.経営権を確保しながら、自己株式と事業資産の承継者を決める。
ハ.株式の評価額を下げる。
二.オーナーの持株数を早くから贈与して減少させる。
ホ.自社株を売却し現預金を増やして納税資金を確保する。 - A 自社株対策は会社永続のために積極的にすべし
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イ.後継者に51%以上の株を持たせるのかどうかの判断が必要
1.経営権を譲る − 代表権を譲ってしまうのか。
2.支配権を譲る − 持株比率をどうするのか。
a.支配権を維持するには、2/3以上必要。
b.会社経営に重要な影響をおよぼす株主総会の「特別決議」には、2/3以上必要。
ロ.株式評価の仕組みを知った上で、自社株の評価を行い株価が高くなっている原因を調べ、株価の上昇を抑制する対策を講ずる
1.会社規模を小会社から中会社へ、中会社から大会社にする方法を検討する。
2.評価計算の計算式の各要素、即ち、類似業種比準価額については、@類似業種の株価A1株当りの年配当額B1株当りの年利益金額C1株当りの純資産価額を引下げられないかを検討する。
3.その結果、配当は特別配当か記念配当に、役員報酬を増額、不良資産の処分損を計上、損金算入の多い生命保険を活用する。 - B 具体的な方法を実行する
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イ.合併によって会社規模を中会社の小→中→大から大会社にする方法
1.従業員数の増加
2.売上高の増加
3.総資産価額の増加
ロ.配当還元価格で従業員持株会へ譲渡
1.同族株主でない従業員がオーナー一族から株式を購入する場合には、配当還元方式でよい。
2.その結果、自社株が減少し現預金は増えるが、全体的に財産は圧縮される。
ハ.利益の出ている部門を営業譲渡で分社化し、今後の株価上昇を抑制する。製造部門と販売部門とを、不動産部門と建設部門とを分け分社化する。
ニ.類似業種の区分は、総収入の50%超で判定されるので、複数事業では売上構成比率を変えることも可能だし、合併や会社分割でも可能となる。
