相続を争続にしない方法等
c−05. 養子縁組を利用して遺言の効果を上げる

わが家は妻と子供3人ですが、他の相続人には内緒で長男の嫁と孫のうち1人を養子縁組しましたが、節税になりますか。又、将来相続が発生すると揉める予感がします。どうしたらいいですか。


- @ 妻以外の相続人の相続分が細分化され節税になる
- イ.養子縁組前の法定相続分は、妻(A)が1/2、子(B)(C)(D)が各1/6です。養子縁組後は次の事例のように子供の相続分が各1/8となります。
ロ.この結果、妻と長男一家でより多くの財産を取得したい場合には、養子縁組をしておけば、より多くの相続分が保障されることになります。 - A 事例による法定相続分
- B 内緒でした養子縁組は必ず揉める
- 養子縁組をすると他の相続人との間で争族も危惧されるので必ず遺言が必要。いわば養子縁組と遺言はセットと考えるべし。
- C 平成15年4月1日以後に孫(養子F)が相続または遺贈によって財産を取得した場合の注意点
- 長男(B)が健在にもかかわらず、孫の養子(F)が取得した財産に対する相続税額は2割加算されます。これは長男一家で相続の飛ばしができることに対するペナルティと言われています。
- D 前記の事例で長男(B)が先に死亡した場合は更に効果あり
- E 上記Dの事例では、実子の代襲相続人は実子とみなされる
- イ.実子もしくは養子またはその直系卑属が相続開始前に死亡した場合は、その者の直系卑属は実子とみなされるため、民法上も相続税法上もその相続分は同じになります。
ロ.この場合には、孫の(F)(G)(H)の相続分がより細分化され、この結果、相続税額は課税遺産総額を法定相続分で按分して計算されるため、税率区分が1段でも下がれば当然にその分税金が安くなります。 - F 相続人の数に算入される養子の数の否認規定あり
- 被相続人に養子縁組をする意思があったのかどうか、何のための養子なのか、単に600万円の基礎控除額と税率の適用区分引下げを目的としただけなのか、と質問された時の説明も考えておくべきでしょう。
