相続を争続にしない方法等
c−04. 遺言の必要な場合とは

友人から「いざというときのために遺言書を書いておいたほうがいいよ。」と言われました。遺言書は、どういう場合に必要なのですか。


- @ 会社や事業を特定の人に継がせたい場合
- 後継者に遺言で財産を残さないと、会社や事業の資産が相続により分割されてしまい会社や事業の存続が不可能になってしまいます。特に、農家の場合は、農業後継者に遺言で相続させることが不可欠です。
- A 法定相続人に遺産をあげたくない場合
- 例えば、長男は一生懸命両親の面倒をみてくれているが、次男は浪費癖があり、親不孝を重ねているような場合に、長男に遺産を全部相続させようと思っても遺言なしに相続となると、次男も相続することになります。(ただし、次男には遺留分があります。)離婚調停中の夫婦や養子縁組解消の途中での相続でも同様です。
- B 法定相続人以外の人に遺産をあげたい場合
- 例えば、長男が亡くなった後も嫁が献身的に尽くしてくれ、嫁の努力に報いたいと思っても嫁には相続権がありません。遺言で明確に遺産をあげることを明記する必要があります。また、相続人が誰もいない場合、遺産は国のものになってしまいます。親しい人やお世話になった人にあげたいと思う場合も同じです。
- C 社会のために財産を活かしたい場合
- 社会福祉法人や学校法人、日本赤十字社、ユニセフ等に寄付したい場合や、お寺などで遺産を有効に使ってほしいと希望する場合も、遺言で明確にしておく必要があります。
- D 相続人の間に不和がある場合
- 残念ながら相続人同士の間で不和がある場合、遺言できちんと相続の仕方を残さないと死後大変な争いとなってしまいます。「骨肉相食む」争いをさせないために、遺言は不可欠です。
- E 生活能力に不安のある人がいる場合
- 例えば、心身にハンディをかかえた子供がいる場合や、老妻が残る場合など、1人で生活を維持するのが困難な人が残される場合、遺言で出来るだけその人に遺産を残し、生活を支える必要があります。
