相続を争続にしない方法等
c−01. 遺産を承継する方法

相続が発生して、相続人が遺産を承継する方法について教えて下さい。


- @ 財産承継の方法
- イ.生前贈与 − 生前の財産処分は自由
ロ.遺産分割協議 − 相続人全員の合意が必要
ハ.遺言 − 遺贈の自由・処分の自由
ニ.調停・審判 − 家庭裁判所の判断 - A 相続に関して遺産を承継する方法は次の2つ
- イ.遺産分割協議 − 現物分割・換価分割・代償分割・共有分割
ロ.遺言 − 遺留分に注意 - B 遺産分割協議の利点と欠点
- イ.利点
遺産の分割について相続人間で充分に話し合い、全員が納得したうえで、即ち相続人全員の同意によって分けます。
ロ.欠点
○相続人間で争族となれば、分割協議は長期化し、様々な不利益を受けることになります。
○法定相続分を主張されると、先代と共に財産の維持管理に努めてきた長男の立場がありません。逆に不平等になることがあります。
○遺産分割協議が成立しない時は裁判所の調停で解決することになりますが、調停が成立しない場合は、裁判所に審判を下してもらうことになります。 - C 相続人間の対立の原因
- イ.生前の財産贈与や経済的援助が不平等であったこと。
ロ.独立して生活している相続人それぞれ家庭の経済的事情や配偶者(相続人と一体)の考え方があり、それらに左右されることが多いこと。
ハ.複雑な家族構成による生前からの感情的な問題が表に出てくること。 - D 遺産分割協議では被相続人の気持ちが伝わらない
- どうしても残したいと思う財産を、一緒に守ってきた長男に承継させたいと思っていても、遺産分割協議では相続人全員の同意が必要であり、必ずしも長男が相続できるとは限りません。
- E 争族を回避するには、相続人を差別することになるが、遺言が必要
- イ.親が生きてれば、子供は少々の不満はあっても親の言うことを理解するものです。
ロ.親がいなくなれば、兄弟姉妹間では権利意識の高まりにより平等の原則が前面に出て、我慢するよりも自分の主張を通そうとするものです。
ハ.核家族化の進行と相続財産の70%以上が不動産で、簡単に分割ができないということも加わり、争族に発展する例が少なくありません。 - F 遺言書は法的拘束力を持っているのに対して、遺書は法的拘束力を 持っていない
- 遺言書に法的拘束力があるということは、相続人はその内容に従わなければならないということです。
- G 相続人が誰もいない場合はどうなる
- イ.被相続人に相続人が1人もいない時は、その財産は国庫に帰属する(国のものとなる)ことになります。
ロ.しかし、被相続人が一緒に暮らしていた人や、被相続人の療養看護に努めた人などは、法律上の関係がなくても、特別縁故者として家庭裁判所に相続財産の分与を申し立てることができます。
