相続対策の基本
a−11. 遺言の種類と必要性と遺留分について

遺言の種類と必要性についてを教えて下さい。
また、遺留分とは何でしょうか?


- @ 普通方式の遺言
- 遺言には、普通方式の遺言と特別方式の遺言があります。通常問題となるのは、普通方式の遺言です。
普通方式の遺言には、次の3つの方式があります。 - イ. 自筆証書遺言
遺言する人が遺言の全文・日付・氏名を「自筆」し、押印します。 - ロ. 公正証書遺言
「公証人」によって作成してもらいます。最も安全な方法ですが、2名以上の「証人」が必要です。 - ハ. 秘密証書遺言
遺言する人が、自分で作成した遺言書に署名押印の上封印して、 これを「公証人」と「証人」2名以上の前に提出し、証人に遺言書であることを証明してもらいます。 - A 公正証書遺言
- 公正証書遺言作成するには以下の手続きが必要です。
- イ. 2人以上の「証人」が立ち会い、
- ロ. 遺言者が口述し、公証人が筆記した後、
- ハ. 遺言者及び証人に公証人が読み聞かせ、
- ニ. 各自署名押印し、
- ホ. 公証人が方式に従って作成された旨を付記して署名押印する。
- このように公正証書遺言の作成には厳密な手続きを伴うため、紛失・改ざんの心配がなく、遺言が無効とされることが少ないのです。
なお、遺言作成時に字を書くことができない人でも遺言が可能となりますが、遺言内容を秘密にすることはできません。 - B 遺言の必要な場合
- 遺言のメリットとして、「相続人間の争いを事前に防ぐこと」「相続人以外の人や法人に遺産を与えること」をあげることができます。 遺言のが必要な場合として、以下の例をあげます。
- イ. 法定相続人に遺産を上げたくない場合
- ロ. 法定相続人以外の人に遺産を上げたい場合
- ハ. 社会のために財産を使いたい人
- ニ. 会社や事業を特定の相続人に引き継がせたい場合
- ホ. 相続人同士が仲が悪い場合
- ヘ. 子どもがいない夫婦間で配偶者に全財産を残したい場合
- ト. 特定の相続人にたくさんの財産を残したい場合
- C 遺留分について
- 遺留分とは「被相続人の有していた相続財産につい遺言に関わらず、兄弟姉妹以外の相続人のために留保される一定の割合のこと」をいいます。
遺留分権利者とは、被相続人の法定相続人のうち兄弟姉妹をのぞいた者をいいます。 - イ. 配偶者
- ロ. 子、子孫などの直系卑属
- ハ. 親、祖父母などの直系尊属
- 配偶者と直系卑属については、被相続人の財産の2分の1の割合が、遺留分として保障されます。一方、直系尊属については、3分の1の割合で保障されます。
