個人の不動産取引と税務
a−27. 解約違約金及び仲介料は譲渡費用になるか

A会社に土地を1億円で譲渡する契約をし、手付金1,000万円を受け取りました。ところが、その後、B不動産会社より1億5,000万円で買いたい旨の申込みがあったので、A会社へは手付金の倍額の2,000万円の違約金を支払って解約し、B不動産会社へ譲渡した場合に(1)違約金2,000万円と最初の仲介業者への解約仲介料300万円は譲渡費用になりますか?


- @ 違約金のうち1,000万円が譲渡費用
- 受取った1,000万円は預り金で、持出した1,000万円が譲渡費用になります。
- A 譲渡に直接要しない費用はダメ
- 他に有利な条件で譲渡するために解約した最初の譲渡契約の仲介料300万円は、B不動産会社に譲渡するために直接要した費用ではないので、譲渡費用には該当しません。
- B 関連事案として国税不服審判所「裁決事例集NO.22」の解釈
- (1)譲渡費用の範囲は、資産の譲渡との関連において限定的に解すべきであるが、支出した費用が譲渡費用に当たるか否かは、資産の値上がり益を実現させるための費用性があるか否かによって判断すべきものと解される。
- (2)違約金に係る借入金利子も譲渡との関連において費用性を有する。但し、その額は、違約金を借り入れた日から、譲渡代金が入金になった日までの期間の額となる。
- (3)立退料の借入利子についても、前記と同様に譲渡費用性が認められる。
- C それでは、倍額以上の違約金を請求されて、どうしても払わざるを得なくなった場合でも譲渡費用になるか
- 最近、当初から解約を見越して法外な違約金を請求してくる業者も現れていますが、契約自由の原則に基づき当初の契約が変更になった旨の主張をすれば、譲渡費用として認められてもいいのではないでしょうか。
- D 受取った違約金は不動産の売主が個人の場合は一時所得になる
- (注)総所得金額を計算する場合には、一時所得の金額の2分の1に相当する金額が他の所得と総合されることになります。
