個人の不動産取引と税務
a−16. 客観的にみて等価にならない場合

甲は、所有している宅地200u(時価4,000万円)を、隣人乙が所有している宅地400u(時価8,000万円)と交換したいと思っています。乙にとっては甲所有地がどうしても必要なものです。この場合でも、交換の特例の適用がありますか。


- @ 交換当事者間に特別な関係がある場合など、交換対象資産の時価差額について贈与があったと認められる場合を除き、交換当事者で合意された価値が同額の場合には、交換の特例の適用があります。
- A 基本通達では次の通りですから認められます。
- 固定資産の交換があった場合において、交換当事者間において合意されたその資産の価額が交換をするに至った事情等に照らし合理的に算定されていると認められるものであるときは、その合意された価額が通常の取引価額と異なるときであっても、これらの資産の価額は当該当事者間において合意されたところによるものとする。
- B 類題として、仮に@の事例で乙所有のB土地のうち300uを交換とし、残り100uを売買としている場合はどうなるか。
- その売買となった部分も含めたところで交換があったものとし、その売買代金については交換差金とされます。
- C 更に、上記Bの事例で100u分の土地が異なる場所に所在するC土地である場合はどうなるか。
- Bの取扱いは、一体となって一の効用を有する土地を交換と売買に区分した場合に適用されるものであって、異なる場所に所在する場合には、この取扱いの適用がないと解されます。即ち、交換差益にはなりません。
